ベーチェット病は、慢性的に皮膚や粘膜(ねんまく)、目に、さまざまな症状をくり返すことを特徴とする病気です。トルコの医師、ベーチェットが1937年に報告したため、この名がつきました。
からだの局所症状に加え、しばしば発熱や関節炎(かんせつえん)など全身症状をともなうことから、膠原病類縁疾患(こうげんびょうるいえんしっかん)に分類されています。厚労省の特定疾患(とくていしっかん)(難病(なんびょう))の1つに指定されていて、治療費の自己負担分の一部は公費から補助されます。地域によって、患者さんの数にかたよりがあることがわかっています。日本から中近東、地中海沿岸に至るシルクロードに沿った地域や国に患者さんが多いのですが、その原因はわかっていません。日本には、約1万5000人の患者さんがおり、患者数に男女差はありません。30歳前後に発病しやすいといわれています。
「ヘルペスなどウイルスの感染によるウイルス性口内炎では、同時に幾つものアフタが周辺に出来、微熱が出るのが特徴なので、この可能性は無いようですね。注意が必要なのはベーチェット病の初期症状の可能性です。これは粘膜がえぐれた直径1cmほどの大きなアフタが出来るのが特徴で、目や外陰部などの粘膜にも炎症を伴うのが普通です。
「炎症が口の中以外にあれば、やや心配です。ベーチェット病の発病のピークは30歳前後とされていますので、相談された方の年齢からは一応外れていますが、「えぐれたようなアフタ」とあるのが気になります。ご心配なら一度、口腔外科の専門医に診てもらうことを勧めます。
炎症がある場合は、炎症を抑えるステロイド点眼薬。瞳の周りの虹彩に炎症がある場合は、瞳を拡げる働きを持つ「散瞳薬」の点眼を行います。重症化した場合は、ステロイドを眼の炎症部分に注射したり、全身投与することになります。炎症が治まってからは再発予防のために「コルヒチン」という薬を使います。ステロイドでも治療が難しい場合は、免疫抑制薬(歯科材料)であるシクロスポリン、インフルキシマブという炎症に関わるタンパク質をブロックする抗体を使います。
口内炎には、アフタ性・カタル性・ヘルペス性などさまざまな種類があり、最も多いのがアフタ性口内炎だ。舌・歯ぐき・唇や頬の内側に小さな潰瘍(アフタ)ができ、1週間程度で治る。多くは原因不明だが、偏食や睡眠不足などの生活習慣の乱れ、疲労、女性は月経周期とも関係しているとされる。口腔内カメラでよく検査します。
山根名誉教授は「アフタ性口内炎を治すには、特にビタミンB1、B2を取り入れたバランス良い食事を取ること。急に食生活を改善できない場合はビタミンB群のサプリメントを取り入れても良いでしょう」と助言する。睡眠を十分に取るなど健康的な生活を送り、疲労をためないことも大切だ。
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